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2009/01/13

IT技術振興策と環境省エネ技術振興策

 昨今,環境省エネの技術を日本の潜在力と見立てて,この技術を梃子に経済成長しようという論調がある。
 確かに,環境省エネ技術の進歩が世界的に望まれていること,それ自体は否定されまい。
 しかし,それと日本政府の環境省エネ技術振興策が成功して,日本企業が環境省エネ技術の実装ビジネスで世界を牽引できるかどうかは,別問題ではないか。

当時のOS市場での成功要因がカーネルやファイルシステムの技術力だったとしたら、到底IBMに付け入る隙はなかった。マイクロソフトよりもOS技術としてはIBMやDECが、UI技術としてはXeroxやAppleが遥かに先行していたけれども、ソフトウェア工学に拘り過ぎず、当時の限られたメモリでそこそこ動くものを、技芸的につくったところが他社と違っていた。 現在在のパソコン市場だけをみて、日本にも基盤ソフトをつくれる技術力があるはずだなどと力んでいる人々は、この辺の歴史的経緯を全く総括できていない。 ~日本のIT振興策はなぜ失敗するか~ 「雑種路線でいこう」より

 この楠さんのブログのエントリー自体は,2006年のものなのだけれども,上に引用した部分の記述は,その中の個々の要素技術を,「太陽光発電パネル」とか「水質浄化繊維」と読み替え,IBMなどを「日本」と読み替えると,10年後の状況になっていたりしないだろうか。
 10年後には,「日本の環境省エネ振興策はなぜ失敗するのか」という論点が提起されないようにするには,どうすればよいのだろうか。
 巷では,マスキー法の例を単純に踏襲して,電気自動車の導入などの環境省エネ規範を法的に義務化すればよいといった乱暴な議論もあるが,そんなことをしても,結局,海外製品・システムに日本市場も席巻されるだけになるかもしれない。
 そんな単純なことではなくて,この楠さんのエントリーにあるように

先行企業の背中をみて真似る戦略では展望は開けず、独自の技術革新や事業モデル、価格戦略などでルールを書き換える競争を促すような施策
が必要なのかもしれない。  ただし,その施策は決して,補助金事業や技術開発委託事業のような,既存大企業の雇用維持に使われる支出ではないことだけは確かだと思う。

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