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2009/01/11

タイミングのずれた派遣法制見直し

 雇用に関するルールの見直しとは,そのルールの対象が,売買契約のような取引に関する債権債務関係が時間的に1回で終了する法律関係と異なり,一定の期間に渡って法律関係が継続する,いわゆる「継続的契約関係」であるため,見直されたルールが効力を有することとなる時期と,その見直されたルールの対象となる契約関係がいつからのものかということあ,そのルール変更の目的達成に関して,非常に重要な影響を及ぼすことになります。

雇用情勢悪化の波は、派遣労働者など非正規労働者だけに押し寄せるものではない。
 ~中略~
非正規労働者保護だと思い込まれた規制強化は、明らかに正規労働者保護策に化ける結果となる。

~「官邸斜め向かい~霞門の眼」 1月10日~

 
 製造業への派遣労働をより制限するような規制の見直しが検討されているようであるが,このタイミングで行う単純な派遣禁止措置は,

 ・現在及び近い将来(派遣禁止措置が有効になるまでの間)に契約が解除されることを防げない
 ・将来に渡って経営者の派遣労働者雇用意欲を大きく減退させる

という機能を果たし,目下の失業を減らす効果もなく,将来の雇用拡大の芽を拡大することもないという帰結になることが予想される。

 とすれば,まずは「徳政令」のような発想で望むことが必要なのではないか。

 ・一定の過去及び現在,有効な契約に基づいて雇用されている派遣労働者の者の解雇を違法行為とする
 ・この違法行為となる期間は厳格に期限付きとする(例えば,今年いっぱい 等)

 このような特別措置立法を行うのである。これであれば,現在の失業を防ぐ効果を持ち,かつ将来に長期に渡って雇用意欲を減退させてしまう効果を持たない措置を講じることができると思われる。
 なお,この立法における「違法行為」とは,行政取締法規上違法で,行政的な罰則があるという法律では全く意味がない。目下の労働基準監督署の機能では,違反をやったもの勝ちになるのは目に見えている。
 そうではなく,民法上の不法行為であることとして,かつ,損害賠償を違法状態が継続する期間内の賃金及び福利厚生費と法定してしまうのである(場合よっては,訴訟費用,弁護士費用を含めることも有効)。民事的に金銭支払いの義務化がなければ,この規律を無視する企業が多数叢生することは目に見えている。
 よって,時限的な民事ルールとして導入することが効果的と思われるがどうか。

 

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