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2009/09/19

予算編成方式だけ変更してみても

複数年度予算を検討=無駄な支出排除を目的に-政府 (2009年9月18日 時事通信)

 政府は18日、毎年度編成している予算の在り方について、複数年度予算の導入の検討に入った。政府関係者が同日明らかにした。予算が余った場合、その年度で使い切るために無駄な支出をする弊害をなくすのが目的。同日設置した国家戦略室で議論を本格化させる。


 この手の「予算編成方式」の変更や、単年度予算の「拘束力」の緩和を通じて、歳出の目的合理性、効率性を確保しようというのは、些か的はずれな気がします。
 
 本質は、決算、つまり実際に何に支出されたのかをチェックし、そこに支出の政策効果に結びつかない支出があれば、それを削減するという手続きを、まじめに履践することです。これがなされなければ、基金を作ろうが、中期計画を作ろうが、何の効果もないし、逆に直近の政治的意志=民意の支出計画への反映という単年度予算主義の民主的統制の意義が没却されるだけです。

 どうも、予算制度の議論については、「節約すると得をする」というインセンティブ論に基づく制度設計、つまり「飴による誘導」が重要視されているようですが、不正支出、非効率支出=目的効果の低い支出に対する「鞭」に基づく制度設計をするべきではなでしょうか。
 地方自治体には、公金返還訴訟制度がありますが、国は存在しません。また、個人責任を徹底する面でも問題があります。千葉県の例でも、法的整備が整っていないので、不当支出・不当経理について、詐欺や横領が立証できないと法的に強制力をもって返金させることができません。
 結局、公金支出の決済を行う公務員は、甘やかされています。決算で不当支出とされた支出については、公務員個人の弁済責任を法定すべきだし、不当支出を決済した公務員については、分限処分を義務化すべきです。

 出口の厳格性を確保しないで、安易に複数年度の支出計画を、予算という形で国会議決の対象としてしまうと、八ツ場ダムのような「化け物計画」が乱造されることになると思います。

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