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2009/10/21

銀行にとっての不動産担保融資のリスク

渡部和孝「ダブル・クラッシュ」日本経済新聞出版社 P110

2.銀行にとっての不動産担保融資のリスク

 以下では、次の2つの疑問に答えることを目的とする。第一に、不動産担保融資が銀行にとってなぜ不良債権になる確率の高いハイリスクの融資なのかという疑問である。第二に、不動産担保融資がハイリスクであるにもかかわらず、なぜ銀行は、洋の東西、時期を問わず、不動産担保融資に系傾倒するのかという疑問である。

  後者の疑問、銀行が不動産担保融資になぜ走るのかという点こそが重要だ。
 とどのつまりは、現在のビジネスモデルで事業を行う限り、ハイリスクでない貸出対象の事業体に比して、預金取扱金融機関の数が過剰だということであろう。だから、ハイリスクでない事業体、それは「堅気の商売」とは限らないが、への融資ではなくて、安易に不動産担保融資、そして不動産業への融資に走らざるを得ないということなのだろう。
 
 金融機関の事業の健全性に政策的関心が向くのは、個々の金融機関の健全性それ自体が問題なのではなくて、資金循環の効率性を維持しつつ、その量的拡大を志向するからだ。 
 とすると、金融機関の事業体としの健全性、例えば自己資本比率の維持のための規制フレームを独立して考えるのは、資金循環における貸し手と借り手の相互作用に配慮しない面があることを否定できまい。

 資金循環上、資金が不動産担保融資に追い込まれないで、社会的に(切実な)ニーズに応える事業体のようなローリスク融資対象に流れるようになる貸し手と借り手のマッチング・メカニズム、そして社会的ニーズを担う事業の拡大につながるような財政支出構造への転換や組織法制の有り様といったものまで、併せて検討することが必要ではないのか。

 以下、続く。

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