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2009/10/08

国債増発への期待と出口戦略への懸念

リンク: 政府 税収減で国債増発へ - ココログニュース

赤字国債発行へ=税収減不可避、10年度予算編成-政府方針 10月6日 時事通信

 政府は5日、2010年度予算編成に関し、歳入不足を補うため、赤字国債を増発する方針を固めた。10年度税収は09年度当初見通しの約46兆円を割り込むのは確実で、政府は40兆円を下回る可能性もあるとみて、不足分は赤字国債で賄わざるを得ないと判断した。
 鳩山由紀夫首相は就任前から、一貫して国債増発を否定してきた。しかし、昨年秋からの景気低迷で法人税や所得税などの税収が大きく落ち込み、09年度税収見通しは下方修正が避けられない情勢。首相は10年度予算編成に当たり、厳しい現実に直面して路線変更を迫られた形だ。 

 そもそも税収見積もりの見込み違いによる「穴埋め」について、民主党政権を批判するのは筋違い。マクロ政策的には、国債発行はもっと増やして良い、それも市中消化では、税金が原資となる利子を国債を購入する余裕のある資産家に支払うという、非常に所得配分を格差拡大方向に傾けることになるので、日銀引き受けで行うべき。

 その一方で、下記のように日銀は、はやくも出口戦略を検討などと報道され、それに対し「闘志」亀井金融大臣が懸念を表明しているそうだ。

日銀などの臨時異例の措置、出口論探る時期ではない=亀井担当相 10月6日 ロイター

 亀井静香郵政・金融担当相は6日の閣議後会見で、金融危機への対応として日銀が企業金融支援のためコマーシャルペーパー(CP)や社債を買い取る臨時異例の措置などについて「(足元の)景気は回復過程に入っているとは思わない」とし、出口論を探る段階では「ない」と述べた。

 残念ながら、橋本行革時代に唱われた「日銀の独立」などというものが、結局、日銀官僚組織=金融機関支援組織の独善を生んだだけであったということ。
 近時のマクロ経済学の進歩及び各種の金融調整実務の積み重ね、就中、日銀の反面教師を踏まえ、世界中の中央銀行が「期待」に働きかけることの重要性、特に緩和期待の重要性をいかに涵養するかに腐心しているのに、自己の過去の過ちを学ばない日銀という組織には呆れると言わざるを得ない。
 物事、出口を見据えておくことは大事だ、しかし、出口のタイミングを図る基準、契機を曖昧にしたまま、出口戦略をちらつかせるのは、戦術論として愚の骨頂である。マクロ経済上の指標をきちんと明示した上で出口措置を講じる時期を炉汁べきで、「市場が正常化しつつある」などというご託宣はたくさんだ。

 とにかく、日本のマクロ経済状況を自殺しなくても良い状況に復帰させるため、個別の助成先・政策対象を選別し、仕切りたがって、成果を出せない官僚機構にも、与信先選別能力について圧倒的な不信を持たれている日銀・金融機関にも頼れない以上、人為=政治による所得再分配を、国債増発(日銀引き受け)+生活困難層への直接給付という財政・金融政策のハイブリッドで展開するべき時だ。

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