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2009/10/16

無任所大臣の活用

 ここの続き。


3.無任所大臣の活用(国政を担う選良の集う場として)

 内閣=閣議を「官僚制の悪弊=セクショナリズム」を打破する上では、手続きプロセスの改革と同時に、その構成メンバーの改革も必要となる。特に、官庁セクショナリズム(政策の総合性の欠如)の原因の一つに分担管理原則による「大臣の官僚組織への取り込まれ」問題がある。この問題を打破するため、現行の内閣法でも認められているが、その活用が全く図られていない「無任所大臣制」の実質化が有効である。
 無任所大臣とは、閣議に参加する権利を保有するが、行政各部を直接指揮監督しない大臣という意味であり、その根拠は、内閣法3条2項の「行政事務を分担管理しない大臣」との規定である。

 翻って、明治初期の「参議」制では、各役所の長たる卿(例えば、外務卿)と、国政の意思決定機関たる太政官(正院の会議)の参加である参議とが別(参議の方が上)という職制もあったのであり、現在のような各省の長と閣議参加者とが自動的に同一人格に期するという在り方は、実は論理必然ではない。
 明治六年の政変の際に、参議と各省長官を兼任する制度(参議省卿兼任制)を導入し、省卿を内閣に参加させることにより、政府意思の一体化による政治の引き締めを図った例からしても、内閣=執政機構の意思統一を図り、行政執行の現場を統括する面で、この閣議メンバー=行政大臣制は一定の効果があろう。
 しかし物事は、一長一短であり、現行のような国務大臣と行政大臣を原則兼務するという在り方は、行政各部に対する内閣の統制を強める面(長所)もあるが、その一方で、大臣が行政各部に取り込まれるという面(短所)がある。これまでの内閣の運営において、後者の短所が目立ってきており、それが「脱官僚」「内閣機能強化」というスローガン(ドクトリン)を掲げさせる端緒となっているものと考えられる。

 閣議が、行政執行の最高意思決定機関として、政策の総合性を確保する統制機関として機能するためには、特定の行政執行組織(部隊)とは距離を置き、一等地高い目線で、意思決定をするという仕組みが必要であろう。そのための「総合調整」「統制」は、行政執行機関からは超然とした「選良」としての人格によって担われる必要があろう。
 このために、現行の内閣法でも既にその存在が予定されている無任所大臣の積極的活用が必要である、そしてそのために必要であれば、内閣法で定める国務大臣の人数も増加させる必要がある(なぜならば、そうしないと行政組織の長たる国務大臣=主任の大臣の数が、行政組織の数と殆ど同数なので、一人の国務大臣が複数の主任の大臣(又は特命担当大臣)を兼任しないと、無任所大臣を配置できないため)。

 さらに続く

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