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2009/10/04

民主党の「リフレ派研究会」?

「金融ボーイズ」の血騒ぐ  2009年9月28日 AERA

デフレ音痴の党変える
 もう一つは、鳩山政権の経済政策の中で最大の難所となるデフレ対策。バブル崩壊後、自民党はデフレを克服できず、選挙や構造改革の足を引っ張り続けた。この間、物価や所得の減少によるデフレの痛みと、構造改革による痛みを政治もメディアもあえて混同し、既得権を持つ人たちが「痛み!」を連呼。冷静な経済議論をかき消してしまい、デフレの処方箋は、迷走し続けている。
 2007年の名目GDPは515兆円、10年前の1997年も同じ515兆円で、「成長」の跡は見られない。
 夫が「給料は3万円減ったが、物価下落の影響を除いた実質値は5000円アップになる。昇給したのと同じだからお祝いをしてくれ」と言って喜ぶ妻はいない。やはり、給与の3万円ダウンは深刻に受け止められるが、それがデフレのせいなのか、構造改革が原因なのかを追究する夫婦もいない。
 同じような状況が経済全体で起きているのだ。
 そこで、鳩山首相の側近であり、旧東京銀出身の小沢鋭仁環境相は昨年、「リフレ研究会」なるものを党内にひっそりと立ち上げた。「リフレ」とはマイルドなインフレで物価下落をとめる金融政策で、持ちかけたのは意外なことに道路問題の追及で忙しいはずの馬淵澄夫氏。元財務官僚の大串博志氏らも参加した。だが「日銀にインフレターゲット政策をのませ、2%程度の物価上昇を起こすのが民主政権の課題です」と刺激的に話す識者の勉強会に招かれた当時代表代行の菅直人氏は一言、
「非常に面白いが、民主党の言っていることとすべて逆じゃないか。急に逆はできないよね」
 野党時代の民主党にありがちだったデフレ観は「物価が下がることは暮らしやすくてよいこと」「金利生活者のお年寄りのために金利は上げるべきだ」といった感じで、国民にはわかりやすいが、人気取りを狙った素人感覚の域を出なかった。デフレで不良債権処理にのた打ち回った銀行ボーイズから見れば、「噛みつきたくなるような問答」だったという。
「財政と金融は一体なので政府にマクロ経済がわかるプロが増えることは不可欠。デフレもすべてが悪いわけではないが、行き過ぎは問題で、金融緩和を日銀と一体となって進めるべきです。無駄削りは必要だが、必要な財政投資もあります」(今井氏)


 この辺り、民主党の「庶民派感覚」での「金利低下=銀行ぼろ儲け」という発想は短絡と言わざる得ない。しかし、資本市場(インターバンク市場、国債のバルク市場)を経由した銀行のコスト構造を因果経由とする信用創造について、不信感あるいは、もっと激しい表現で言えば、不公正感があるのも事実。
 とすれば、マクロ経済改善のために政治的に可能な方策とは、日銀にファイナンスを「強制する」財政法5条ただし書を発動して、財政を通じて家計を直接支援するということ、つまり「見える手」による信用拡張=リフレということなのかも。

 国や自治体が「無意味な」道路や構築物(国立マンガ喫茶)を作るという経路を通じた財政政策、金利や金融機関の資産構成の変更といったコスト効果を通じ市場経由の金融政策、こういった旧来型のマクロ政策に対する不信を払拭して、デフレ払拭の効果のある政策を実施するためには、やはり、財政法5条ただし書を発動して、日銀引き受けで国債を発行し、社会保険への「補充」や流動性制約下にある家計への直接給付(価値財的発想からはバウチャーの導入)へそれらの原資を当てるという方策しかないであろう。

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