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2011/04/10

「年齢階層間の分配問題」と「現在消費と将来消費の代替問題」の峻別

 同じ議論で恐縮ですが、また「世代間格差」とい言葉使いについての批判です。この言葉の「誤用」が誤謬を蔓延させているからです。
 世代間格差という用語を、ある時点における「年齢階層間の分配問題」を指すものとして使用するのか、「現在消費と将来商品の代替問題」を指すものとして使用するのか明確にする必要があります。

 現在の何らかの財政支出を公債発行で賄うことが、現在の遊休労働力や遊休資源の活用に繋がるのであれば、機会費用は何ら存在しないのですから、世代間の格差などというものは存在しません。要すれば、公債償還時の所得再分配をどうすれば良いかを考えるだけですから、重要なのは、公債を誰に配分し、償還時の条件をどうすることが、所得再分配上の弊害を最も防げるかを考えれば良いだけです。

 このような思考は、新古典派総合が陥った資源配分の効率性と所得分配の効率性の議論を分離できるというナイーブな議論だとの批判があるでしょう。しかし、少なくとも、財政支出を行う現時点における「資源配分の効率性」(言い換えれば、財政支出の適正性)の検討作業と、公債償還を行う将来時点における「所得分配の効率性」(厚生経済学的な意味での税金再配分の公正性)の検討作業を峻別することの重要性は下がらないと思います。ちなみに、財政支出時点においては、公債引き受け自体は任意に行われているので、財政支出の内容についての決定が合理的であるかどうかが問題だかと思います。他方、公債償還時においては強制徴収される税金が自動的に公債所有者への再配分に利用されることがあらかじめ決定してしまいますので、資源配分の効率性と所得配分の効率性が同時決定となることは確かです。

 このように考えれば、遊休労働力などが存在しない経済における公債調達の問題についても、現時点の資源効率の問題と将来の所得効率の問題は種別できることが分かります。

 よって、復興財源の問題について、復興債が将来世代に負担を残すなどという議論は即刻停止するべきでしょう。

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