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2014/09/13

大本営発表「景気は回復している」

内閣府の政策コメンテータ委員会というとこで、「3ヶ月前と今と景気の状況は?」と問いかけたら、57%の参加者が「景気は回復している」と答えたとの報道があった。

どういう経済指標を見ると、そういう答えができるのか不思議でしかたがない。
7月末までの統計データの実績を見る限り、悪くなっている指標も多く、「横ばい」はまだしも、回復のエビデンスは全くでてこない。

日銀短観や法人企業景気予測調査が「上昇」判断が多いという話をことさらに言祝ぐ論説もあるが、この手の景況感、それも現状や先行きについての調査については「使い方」が、完全に間違っています。
日銀の岩田規久男副総裁が言っているように、マクロ経済政策、特にマクロの金融政策を検討する上で、マーケット参加者の現在の予想を把握することは重要です、しかし、それはその予想が将来実現するからではなくて、現在の経済主体の行動をコントロールするからであり、将来の予測値として意味がある訳ではありません(だから、実績が予測通りになるかどうか自体には関心がない)。
これが正しい景況感統計の使い方です。

しかしマスコミでは、実績統計データを無視して、こういう「見通し」だけを言祝ぐ傾向があり、1997年のときも、こういう認知ラグが景気の悪化の振幅を増幅させたきらいがあります。

だから、この手の「見通し」調査に基づいて、現状を把握していはいけないのです(この手の調査の「現状判断」だって実績に応じた判断ではないので、実態評価としての信憑性はあまりありません。だって、8月に7-9月期の実績がある訳ないのですから)。

いずれにせよ、先の「政策コメンテータ委員会」の57%の方々は、8月末に公表された7月末まで(たかだた1ヶ月前)の実績統計データが示すものを凌駕するほどの経済改善のエビデンスを8月中に入手されているのでしょね。

そうでなければ、それは単なる「大本営発表」でしかありません。

来年の10月に消費税率を上げること妥当かどうかは分かりかねます。
しかし、消費税率を上げるための世論工作のために、悪い経済実態について、「回復している」などというのは、経済分析、経済評価として全くの愚論です。
大事なのは、実績データ、エビデンスに基づく実態判断のはずです。特定の目的のために、レトリックをもてあそぶのは、本末転倒だと思います。

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