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2014/09/15

消費税率の引き上げが「国際公約」という????

そもそもの疑問。

「国際公約」という概念自体が曖昧模糊としたもので、よく分からないというよりも、国際的なイメージ以上の何の意味もないレトリックでしかりません。法的には、「国際約束」という概念はあり、国際社会における法的主体である国家間の約束で、立法が認めれば条約、行政機関同士の約束であれば協定ということになります。
法的に独立国である日本は、内政の中心である税制をどうするのかについて、租税条約および関税について通商関係条約で、何らかの具体的な制度措置を約束していないのであれば、国際法的にとやかく言われる筋合いは全くありません。
だから、日本の政治家が国民に対して「国際公約」などというのは、レトリック以外の効用はなにもありません。
勿論、彼らの「国際公約」の対象は、他の国家ではなくて、資本市場における信認だというでしょう(それを「国際公約」と表現することが適当とは思えませんが)。

20140527_photo1

ただ、「選良」である政治家の皆さんは、ご存じだと思いますが、2013年末段階においても日本は世界最大の債権国なんですよね。だから、日本国債の償還リスクについては、日本で革命でも起きない限り(というか、ロシア革命では、対外債務の償還を保証しましたので、革命があっても大丈夫な場合もある)、経済的な理由では不安になどなりません。必要なら日本国民の保有している対外資産を処分すれば良いだけの話です。

こういうと、国債金利が上がって大問題になる、という脊髄反射的な反論が来るとは思います。そもそも、短期的に消費税を上げなかったからといって、国債金利が上昇するという実証的な根拠は何もありません。だって、ほとんどの国債を国内で消化しているので、消費税を上げなかったからといって、国債金利が上昇する理由はほとんど存在していません。たかだか消費税を上昇させなかったことで、国内居住者が国債のリスクが上昇するという計算をするのであれば、社会保障改革による歳出の抑制に失敗した時点でとっくに金利は上昇しているはずです。要すれば宣伝の問題です。

また仮に上昇したとしても、それは新発債の発行コストが上昇するだけで、既発債のコストが上昇する訳ではありません。新発債のコストの問題ですから、予算編成でいかようにでもコントロール可能です。問題は、既発債の時価評価が会計上下がるという問題ですが、日銀や国に特別会計が保有している分については、それがどうしたというところです。最大に問題は、日本の銀行(メガバンク、地銀等)が保有している分です。

とはいえ、地銀等の国内業務しかしていない金融機関については、金融庁は会計基準における国債の時価会計についての特例措置を講じれば良いだけで、要すれば帳簿価格についての減損処理の繰り延べをして、保守主義的な会計に戻せばよいだけです(満期保有していれば、額面額が償還されるので問題なし)。

メガバンクについては、BISに強制されるルールに従うしかないのですが、その減損分の資本をまた「見せ金」的に優先株でも発行させて、国が買えば良いだけです(そのキャッシュは、日銀引き受けでやればよいだけ)。

だから、

1 日本は未だ世界最大の債権国なので、国際資本市場の付和雷同する信認など必要としていない

2 仮に、国債金利が上昇しても、多少の手間でコントロール可能

なので、気にする必要なし、というところかと思います。

なお、私自身は、来年10月に消費税を上げることが悪いとは思っていません。「国際公約」などという曖昧模糊とした、いわば無垢な国民をだますレトリックで政治的支持を獲得しようとしていることに、納得感がないというだけです。

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